はじめに
たんぱく質・脂質・炭水化物が「エネルギーを作る栄養素」なら、
**ミネラルは体を動かすための“調整役”**です。
筋肉・神経・ホルモン・免疫など、あらゆる生命活動を支えるのに欠かせない存在で、
わずかな不足でも体調やパフォーマンスに大きな影響を及ぼします。
今回は、そんな「ミネラルの働き」と「不足による影響」「上手な摂り方」について詳しく解説します。
ミネラルとは?
ミネラルは、体内で合成できないため食事から摂る必要がある必須栄養素です。
厚生労働省では、以下の13種類を「必須ミネラル」と定義しています👇
| 区分 | 主なミネラル | 特徴・役割 |
|---|---|---|
| 主要ミネラル | カルシウム・リン・カリウム・ナトリウム・マグネシウム・硫黄・塩素 | 骨や筋肉、体液バランス、神経伝達などに関与 |
| 微量ミネラル | 鉄・亜鉛・銅・ヨウ素・セレン・マンガン・モリブデン・クロム | 酵素反応・ホルモン・免疫調整などに関与 |
体内にわずかしか存在しないにもかかわらず、体のあらゆる機能をコントロールする“指揮者”のような存在です。
ミネラルの主な働き
① 筋肉・神経の働きをサポート
カルシウム・マグネシウム・ナトリウム・カリウム は、筋肉の収縮や神経伝達に関与。
不足すると、筋肉のけいれん・手足のしびれ・集中力低下などが起こることも。
トレーニングをする人にとって、ミネラルは「パフォーマンス維持の鍵」です。
② 代謝とエネルギー産生に関わる
鉄:酸素を全身に運ぶ(ヘモグロビンの材料)
亜鉛・マンガン・クロム:糖・脂質の代謝に関与
マグネシウム:エネルギーを作るために300以上の酵素をサポート
ミネラルが不足すると、いくら栄養を摂っても**“燃焼しない体”**になってしまいます。
③ 骨・歯の形成
カルシウムとリンが骨や歯の構成成分。
マグネシウムやビタミンDがカルシウムの吸収を助け、骨密度を保ちます。
ミネラルは「骨の貯金」を守るためにも欠かせません。
④ ホルモン・免疫・美容への影響
亜鉛:ホルモン分泌や皮膚・髪・爪の健康維持に必須。
セレン:抗酸化作用で細胞を守る。
鉄:貧血予防や肌の血色改善に関与。
不足すると、肌荒れ・抜け毛・爪の割れ・疲れやすさなどが現れます。
ミネラル不足が起こりやすい現代人の生活
現代の食生活では、以下の理由で慢性的なミネラル不足が起こりやすくなっています。
加工食品・外食中心で“精製食品”が多い
ストレスやアルコールで体外への排出が増える
発汗量が多い運動習慣(特に夏・トレーニング時)
ダイエットによる食事制限
不足しているのは「カロリー」ではなく「栄養バランス」です。
効率よくミネラルを摂るコツ
1. “まごわやさしい”食材を意識
→ まめ・ごま・わかめ・やさい・さかな・しいたけ・いも
これらの和食食材はミネラルの宝庫です。
2. 汗をかく季節・運動時は「電解質」を意識
トレーニング中は、水だけでなくナトリウム・カリウム・マグネシウムを含む飲料(スポーツドリンクなど)を。
3. 加工食品を減らし、自然な食材を中心に
精製塩・白砂糖・白米よりも、自然塩・黒糖・玄米の方がミネラル含有量が高いです。
4. ビタミンとセットで摂る
ミネラルの吸収にはビタミンが関わります。
特に**ビタミンC(鉄の吸収促進)やビタミンD(カルシウム吸収促進)**は重要です。
まとめ
ミネラルは、目に見えにくいけれど、**体のあらゆる機能を支える「見えない土台」**です。
不足すると、代謝が落ち、疲労・不眠・肌荒れ・パフォーマンス低下といった不調が起こります。
「食事・水・トレーニング」と同じように、
“ミネラルを整える”ことが、健康とボディメイクの成功への近道です。
ミネラルは、あなたの体のリズムを整える“隠れた主役”です🌿


